選挙知識

衆議院の優越とは?覚え方や理由・含まれるもの・語呂合わせも紹介

衆議院の方が参議院より権限が大きいことを「衆議院の優越」といいますが、それはなぜなのでしょうか?

 

また、これは学校の社会科の授業で習いましたが、どんなことの意思決定において権限が大きいのか、覚えていますか?

 

この覚え方には語呂合わせもあるんです。

 

こちらでは、「衆議院の優越」について、その語呂合わせも合わせて解説してまいります!

 

「衆議院の優越」って何?なぜ衆議院は参議院より権限が強いの?

衆議院と参議院の違いは任期や選挙制度、被選挙権などありますが、機能や権限においても違いがあるのです。

 

こちらではその違いについて解説します。

 

国会は以下の権限を持っています。

  • 法律の議決権(59条)
  • 条約締結の承認権(61条)
  • 弾劾裁判所の設置権(64条)
  • 内閣総理大臣の指名権(67条)
  • 財政監督権(予算その他国の財政に関する議決)(83条)
  • 憲法改正の発議権(96条)

 

国会の意志成立にあたっては、衆議院・参議院両院の議決の一致が求められます。

 

しかし、衆議院と参議院とで与野党議員のバランスが異なる「ねじれ国会」では、衆参の議決が異なることも。

 

このような場合、以下の事項については衆議院での意思決定が優先され国会の意思決定となるんです

  • 法律案の議決
  • 予算の議決
  • 条約締結の承認
  • 内閣総理大臣の指名

 

このように参議院より衆議院に強い権限が付与されることを「衆議院の優越」というんです。

 

さらに、衆議院には「予算先議権」、「内閣不信任(信任)決議」の権限も与えられています。

 

これらの権限は参議院には付与されていません。

 

なぜ、参議院ではなく衆議院により強い権限が与えられているのでしょうか?

 

それは、解散がなく任期が6年の参議院に対して、衆議院は解散があり、その任期は参議院より2年短い4年です。

 

つまり、任期満了だけでなく解散でも総選挙がある衆議院は、参議院よりも選挙により国民の意志を問う機会が多くなります。

 

したがって参議院に比べ衆議院はより国民の意志に近いとされていることから、参議院より強い権限が付与されているんです。

 

どんなときに「衆議院の優越」が適用されるの?適用されないものもあるの?

それでは、どんな場合において「衆議院の優越」が適用されるのか、詳細に解説します。

 

先ほど、「法律案の議決」、「予算の議決」、「条約締結の承認」、「内閣総理大臣の指名」で衆参の議決が一致しなかったとき「衆議院の優越」が適用されると解説しました。

 

そのうち「予算の議決」、「条約締結の承認」は、

  • 両院協議会でも意見が一致しないとき
  • または参議院が衆議院の議決を受領後30日以内に議決しないとき

衆議院の議決がそのまま国会の議決に

 

「内閣総理大臣の指名」は、

  • 両院協議会でも意見が一致しないとき
  • または参議院が衆議院の議決を受領後10日以内に議決しないとき

衆議院の議決が国会の議決となり、衆議院で指名された人が内閣総理大臣になります。

 

ただし、「法律案」については、

  • 議院で可決した法律案を参議院が否決あるいは修正議決したとき、
  • または衆議院可決案受領後60日以内に議決しないときは否決とみなし、

衆議院で再度可決が求められますが、出席議員の3分の2以上の多数による再可決が要件となっています。

 

そのため、法律案を通したい内閣にとっては参議院を軽視することはできません。

 

なお、両院協議会を求めることも可能です。

 

また、臨時国会・特別国会の会期や国会の会期延長の決定についても、衆参で一致をみない場合や参議院で議決しない場合には、国会法で「衆議院の優越」が適用

 

衆議院の議決によるとされています。

 

近年であった一例をご紹介します。

 

2013年に一票の格差是正のため、衆議院の小選挙区定数を「0増5減」して区割りを改める法案が4月12日に衆議院に提出され、野党はこの法案に反対するも、23日に賛成多数で可決。

 

その後も与野党の議論は平行線をたどり、60日を経過。

 

6月24日に自公両党が参議院否決みなし動議を衆議院に提出し、衆議院本会議で賛成多数により可決されたため、法案が参議院でみなし否決されます。

 

それから「衆議院の優越」により衆議院で改めて採決された結果、3分の2以上の賛成多数により可決。

 

同法案は成立しました。

 

一方、

  • 皇室財産の授受の議決(憲法第8条)
  • 予備費の支出(憲法第87条)
  • 決算の審査(憲法第90条)
  • 憲法改正の発議(憲法第96条1項)
  • 国会の休会の議決(国会法第15条1項)

については「衆議院の優越」が適用されません。

 

したがって、今、議論が進められている「憲法改正」については、衆議院、参議院同等の権限を持っているということになります。

 

「衆議院の優越」を覚えたい!語呂(ゴロ)ってあるの?

「衆議院の優越」が適用される「法律案の議決」、「予算の議決」、「条約締結の承認」、「内閣総理大臣の指名」の4つの事項を覚えたいけど、なかなか覚えられないという人も少なくないようです。

 

こちらではこの「衆議院の優越」を覚えられる語呂(ゴロ)をいくつかご紹介します。

 

まずは、

「条(じょう)約締結の承認」、「法(ほう)律案の議決」、「内(ない)閣総理大臣の指名」、「予(よ)算の議決」で、

 

「じょうほうないよ」=

「情報ないよ」

 

上記と違う並び順の「条(じょう)約締結の承認」、「内(ない)閣総理大臣の指名」、「法(ほう)律案の議決」、「予(よ)算の議決」で

 

「じょうないよほう」=

「城内予報」

もあるようです。

 

さらにこれらと似たところで、

「条(じょう)約締結の承認」、「予(よ)算の議決」、「法(ほう)律案の議決」、「内(ない)閣総理大臣の指名」と並べ替え、

 

「じょうよほうない」を覚えやすく

「譲与法(じょうよほう)なんて無い(ない)よ」

 

少し難しいところで、

「内閣総理大臣の指名」、「予算の議決」、「条約締結の承認」、「法律案の議決」と並べ替え、

「条約締結の承認」は「条」ではなく「約」を取り、

「内閣総理大臣の予約は法律で」

という記憶法もあるようです。

 

いずれか覚えやすいもので記憶してくださいね!

 

まとめ

今回は、「衆議院の優越」について詳しく解説しました。

 

今は自民党・公明党の与党議員が圧倒的多数を占めているので、「衆議院の優越」が適用されることも少ないようです。

 

国会での議論の裏側で、与野党でいろいろな議論や駆け引きが行われているのも注目しておきたいところですよね。

 

また、学校で「衆議院の優越」について勉強する際に、暗記しやすい語呂もいくつかご紹介しました。

 

テストや受験では暗記項目がたくさんあるので、ご自身が覚えやすい語呂で暗記してくださいね!

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